会社員が書く雑記

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自分のナルシシズムと、知らないお店に初めて行ったときの日記

 私はカッコつけだ。周りの人たちに、自分をカッコよく賢く見られたいと常に思っている。また、思われているだろうと錯覚している。ナルシシズムというものなのだろう。だけど別に私はカッコよくはない。

 その錯覚は案外頑固で、錯覚していると自覚をしても、治る気配がない。
 そういった傾向は中学生の頃からあった。私は自分のことを「モテモテ」であると思っていた。女子からは好かれ、クラスの人気者だ。と思っていた。
 しかし体育祭や文化祭等の色恋沙汰に発展するようなイベントには無縁だった。運動神経はほどほどだったし、絵や楽器等の才能にも乏しかった。唯一誇れるのはタイピングの速さで、それを得意気に披露すれば、クラスメイトから気持ち悪がられていた。

 私のナルシストぶりは言葉遣いにもよく表れる。誰かに意見を求められたら、なるべく賢そうな返答をしようとしてしまうのだ。「俺、わかってますよ」と言わんばかりにバシッと結論をぶつけるのだが、大体は誰もが初めに考えることで、今更何を言っているんだろうと思われていただろう。しかし私はそのことに大抵気が付かないので、言った後で「あれ?変なこと言ったかな……」と思ってしまうのだ。そしてそのことに悩み、夜中に一人もがいている。


 なぜ今になってそんなことをブログに書くのか。私は前述のように、自身の「恥」を他人に晒すことを極端に嫌っているのにだ。
 私は、人の「恥」が書かれた文章を、ブログや本を通じて、大変面白く読んでいる。特にここ最近は多くの文章を目にする機会に恵まれていた。
 しかしふと気が付いたのだ。私はそういった文章の書き手のように、自身の恥ずかしい経験を気軽に笑い話として人に話すことがあっただろうか、と。
 もちろん些細なことは話している。だが、自身の根幹に触れるような、誰かに最も面白がられるような部分は、おそらく話したことがない。それは私にとって重大な「恥」だからだ。

 だけど、そういった「恥」の部分から目を反らして生きるのは、そろそろ限界だろうなと感じる。「恥」から目を反らそうとすれば、初めての体験を避けるようになるからだ。初めての体験からはたくさんの学びもあるし、生活が楽しくなるものを見つけられるかもしれない。


 初めての体験の話になるが、先日とあるカレー屋さんに初めて行った。その店舗はオープンしてからそれほど年月が経っていない。オープンから、多くのメディアで取り上げられた、比較的有名な店である。
 私も気になっており、足を運んでみたいと思っていた。しかし私にはそんな素敵な場所は眩し過ぎたため、これまで足が遠のいていた。カレーを食べられる場所を探していたときに候補に上がり、行ってみようとなったのだ。

 建物から少し離れた駐車場に車を止め、店舗まで歩いて行った。木製の大きな建物の前まで行ったのだが、まず入り口がどこかわからなかった。建物には入れる場所が多くあった。どこが表なのか裏なのかもわからないくらい、とにかく開放的だったのだ。
 私はお店はいつも正面から入るものだと思っていたので、まずそこで動揺して躓きそうになった。

 しかし、ここで立ち止まっては二度とこの場所へは戻ってこれないだろう。この近くを通る度、私はその逃げた経験を思い出して悶絶する羽目になることは、容易に想像できる。
 入口がわからないから何だと言うのだ。目に入った場所から入ればいいじゃないか。

 結局駐車場から歩いて一番近くにある、大きな入口から入っていった。そこは小さなイベントを行うような場所らしく、どうやらカレーを販売している店舗は奥の方のようだった。
 建物の中は照明が不要なほど日当たりがよかった。
 幸い催し物はやっていなかったため、肩を丸めながらそのスペースを横切って、カレー屋さんまで行った。

 店内には、大小様々な広さの木製のテーブルと小さめの椅子がそれぞれの場所に並べられていた。隅には小さな本棚があり、最近の絵本が並べられていた。

 カウンターで注文を受け付けているとあったので、カウンターへ行き、注文をしようと思った。メニューを見て注文をするのだが、「分かりやすい」〇〇カレーといったような物はなく、〇〇セットというものが複数用意されているようだった。その中で一番お手軽で分かりやすかったターリーセットといわれる、3種類のカレーから2種類選び注文するものを選んだ。私にはお洒落過ぎ、カレーは何を注文したのか覚えていない。飲み物も2種類から選べるとあったが、1種類がよく分からなかったので、もう1種類のオレンジジュースを頼んだ。

 ここまででだいぶ緊張したので、ちょっと汗をかいた。


 注文をし、窓際の席についてターリーセットが来るのをKindleを読みながら待った。お洒落な空間でKindleを読んでいれば何だか自分もお洒落な人間になったような気がするが、読んでいたのは「ぐわぐわ団」の4コマ漫画だ。若干緊張していたので、脱力するのに大変助かった。

 読みながらニヨニヨしていると、ついにお店の人がターリーセットを運んで来た。サッとKindleを閉じて端に置き、どぎまぎしながらテーブルに置いてもらった。目の前には銀色のプレートにご飯、カレー、焼きリンゴ、オレンジジュースが並べられた、お洒落な物が置かれた。

「初めてですか?」
と聞かれた。素直に
「そうなんです」
と答える。
 すると、お店の人がおすすめの食べ方を説明してくれた。どうやらカレーをご飯にかけ、なんか漬物みたいなものを色々混ぜて食べると様々な味が楽しめるらしい。私は言う通りにして食べることにした。

 非常に美味しかった。スパイスが効いており、なんか漬物みたいなものとの組み合わせで、同じカレーでも一口毎に異なる味を楽しむことができた。ただ辛くて汗をたくさんかいた。お店に入るところから食べるまででたくさん汗をかいたのだが、こんなに汗かいたのは久しぶりだった。

 辛さにひいひい言いながら食べ終えた後の焼きリンゴも、非常に美味だった。焼きリンゴの上にはシナモンがかかっており、シナモンの風味でリンゴの甘さが引き立つようだった。


 「ごちそうさまでした」と店を出た。来たときは緊張していたのだが、帰りはとても満足していた。別にお店で食べるだけじゃなく、ふらっと立ち寄って好きなことをしていてもいいらしい。この地域にそんな場所があったなんて。やはり自分の身で体験しないとわからないことは多いらしい。

 私が紹介するまでもなく人気の場所なので、軽くホームページの紹介だけさせて頂く。
spicelabo.net
sanjoy-machinaka.jp



 知らない場所で知らない経験をすることは、どうやら人によっては普通のことのようである。しかし私は最初に書いたように「カッコよく賢く」見られたいと思っているため、「知らない」ということは恥ずかしいのだ。
 だから今回初めてのカレー屋さんに行くのはとても恥ずかしかった。当然、カレー屋さんは悪くない。お洒落な場所も悪くない。何なら恥ずかしいと思うことも悪くない。
 知らないことは多いし、失敗だってする。しかし「カッコよく賢く」見られたいと思っていれば、知らないことや失敗することは無意識のうちの避けるようになってしまう。そうなれば、自分の知っている世界だけで生きねばならない。
 今までもそうしてきたし、別に問題はないんだけど、最近ちょっと窮屈を感じていたのはそのせいかもしれない。当然ながら「そんなの知ってるよ」という人はたくさんいるのだろう。うらやましい。

 私もこれからの生活をより楽しむべく、自分の「恥」と向き合ってみることを考えてみたい。たまには。少し。