会社員が書く雑記

書きたいときに書けたらいいスタンス

コロナ禍において昔の旅行写真を見返してみて

 仕事の休憩中、ふと昔の社員旅行の写真を見たくなりサーバーにアクセスする。
 弊社は研修旅行という名目で毎年社員全員(勿論欠席者はいる)で旅行に行くのだ。去年は行けなかったけれど。


 写真を見ると、当然のように誰もマスクをしていない素顔のまま写る人々がいた。今ではほとんど見られない光景だ。
 皆が思うがままに観光を楽しんでいる。食事も人との距離感も自由だ。


 そういえば弊社の新入社員は社員がマスクを外した顔を知らず、写真を見て初めて素顔を知ったという。


 ところで先日某コンビニで買い物をしたときレジの人は当然ながらマスクをしていた。
 しかし胸元に名札が付いており、そこにはマスクをしていない素顔の写真が貼られていた。
 元気で可愛らしい店員だなと思ったが素顔も分からなかったため、思わず名札に貼られた顔写真を見ていた。ビニールカーテンで遮られておりよく見えなかったが、こういうふうに素顔を確認できることに安堵した。
 私自身もマスクをしているため人前で素顔を晒すことはほとんどなくなった。そのためマスクの下の表情はおそらく笑っていない。いや、むしろニヤニヤしているのかもしれない。ともかく誰にも素顔を見られないため、以前より表情を作る必要がなくなったのだ。


 誰もが素顔を隠さざるを得ない社会となってしまった。
 だけど素顔が写った写真があることでその人を知ることができる。そして思い出すことができる。
 口元から得られる情報にどれだけの意味があるのかは分からないけれど、素顔を知ることで少し安心できるのかもしれない。


 写真、撮っておいてよかった。私は写真家ではなければ撮るのが上手というわけでもない、ただのカメラを持った人だ。写真一枚撮るのにも結構苦労する。
 だけどこういう時に見返して何かを思い出すきっかけになったので、改めて写真を撮ることの意義を見出すことができた。


 鞄の奥にしまってあるコンデジを久しぶりに取り出して電源ボタンを押してみた。もう数ヵ月触っていない。
 意外とバッテリーは減っておらず問題なく起動した。
 画質に関してはデジタル一眼レフに劣るが取り回しの良さが気に入っている。
 被写体が素顔であるかどうかに拘らず、これからまた現在のあるがままを撮影して残しておきたいと思った。